風力発電と他の発電方法との違いと強み

「再生可能エネルギーの種類って何?」
「風力発電のメリットとデメリットが知りたい」
「Influxの洋上風力発電の取り組みって?」

発電には火力や水力を始めとして、原子力発電や太陽光発電、風力発電といった再生可能エネルギーを含めた様々な方法があります。
火力発電は燃料となる石炭や石油、天然ガスを燃やして得るシンプルな方法で、古くから採用されてきた実績があるのが特徴です。
ただ限りある化石燃料を使うことや、CO2の排出が無視できないことから、近年は他の発電方法にシフトする傾向が見られます。
日本では現在でも火力発電が活用されていますし、災害における発電所のリスク分散の意味では、今後もある程度は運用が続けられるものと思われます。

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株式会社アトックス(ATOX)とは

Influx社から見た原子力発電

水力発電はダムなどの水の流れを利用する発電方法で、水が流れ続ける場所であれば河川などでも活用できます。
しかし、ダムは自然に大きく手を入れなければ設置できませんから、生態に与える影響が懸念されます。
CO2を排出しないメリットはあるので、日本以外でも環境意識が高い北欧などで特に採用されている傾向です。
原子力発電はその性質上、海の近くに設置する必要があります。
核燃料の核分裂反応によって膨大なエネルギーを生み出すので、非常に効率が良いといえます。
CO2の排出も気にならない程度ですから、クリーンといえばクリーンですが、放射性物質という管理が難しい物質を使うことが課題となります。
核燃料は使用を終えても放射線を出し続けるので、環境や人体に影響を与えないように管理をしたり、無害化する処理が必要です。
また、地震や津波といった災害が多い日本においては、これらの影響による事故のリスクが大きいです。
リスクさえなければ日本でも主力の発電方法になり得ますが、過去に重大な事故が発生しているので、それは現状の方法では難しいと考えられます。
現在研究開発が進められている核融合方式であれば、核分裂ほどのリスクはなく、比較的安全に運用できると見込まれているので主流になる可能性があります。

クリーンで安全性が高い太陽光発電

太陽光発電は既に一般家庭にも普及している再生可能エネルギーの代表格で、風力発電と同様に制約はあるものの、クリーンで安全性が高いです。
勿論、安定した土壌の環境に設置をしたり、適切な処分で環境に負担を掛けないといった注意点はあります。
それと基本的に天気の良い日中しか発電できないので、曇や雨の日や夕方以降の対策が不可欠です。
その点は蓄電池が上手く補ってくれますし、今後も蓄電効率の向上に期待が持てるので、現状でも実用的ですが将来性もある発電方法だといえるでしょう。

回転のエネルギーを電気に変える風力発電

風力発電は風の力で大きな風車を回し、回転のエネルギーを電気に変える発電方法です。
風は昼夜を問わず吹くものですから、日中限定の太陽光発電よりもある意味で効率が良いです。
特に風が強い海岸沿いや高原が設置に適しており、海洋でも効率良く発電できることから、洋上風力発電の研究開発も進んでいます。
発電におけるエネルギーの効率は30~40%台で、これは太陽光発電と比べても上々の数字です。
当然ですが、風が吹かなかったり弱いと風車が回転しないので、効率が良くても発電量が小さくなってしまいます。
加えて台風のように強い風が吹くと風車の破損、最悪のケースだと発電設備そのものの倒壊の懸念が強まります。
日本は台風大国ですし、日本列島のほぼ全域が台風圏内に含まれますから、設置が進む欧米諸国と比べて導入や普及が遅れています。
とはいえ比較的台風の影響を受けにくい地域で設置されていますし、現在も安全かつ効率的な風力発電の研究開発、実証が行われている状況です。
効率の良さは地熱発電をも越えますから、安全性の課題さえクリアできればかなり魅力的な発電方法の1つです。

風力発電のメリットとデメリット

風力発電のメリットは改善の余地があること、1基あたりの発電量が少なくても、数を増やせば発電量を稼げることです。
一方、デメリットは台風のように強風が吹く地域には設置できないこと、メンテナンスにコストが掛かることが挙げられます。
他にも回転によって発生する低い音が健康被害に繋がることから、人が生活するエリアには設置できないのもデメリットです。
風車の回転で発生する低周波は、時に数km先にも届くので意外と厄介です。
この低周波は音として聞こえにくく、イライラだけでなく集中力の低下やめまい、睡眠障害といった問題を引き起こします。
しかも血圧や心拍数の変化など、心血管系にも影響を与えることが確認されているので注意が必要です。
生活圏から遠ざけて設置すること、洋上のように海に設置するといった方法が主な対策となります。
ただし、洋上に設置しても生態系に影響を与えることが分かっているので、どこに設置するにしても決して簡単ではないです。
鳥類が風車に衝突する事故が度々報告されていますし、魚が集まることも分かっていますから、衝突を避けたり魚類の生態系にどういう影響を与えるか要研究となるでしょう。

まとめ

環境負荷が小さくて空気を汚さずクリーンという意味では、デメリットばかりを見て否定するのは勿体ないです。
課題が解決できればとても理想的な発電方法となるので、これからの研究と発展に期待が掛かります。